江戸中期に安房の国(千葉県鴨川市)に武志伊八郎信由という宮彫師がおりました。
房総を中心とし、関東地方のさまざまな寺社の彫刻をしたそうです。
特に波の彫刻はその当時「関東に行ったら波を彫るな」と言わしめるほど有名だったそうです。
ですから通称「波の伊八(初代伊八)」と呼ばれ、千葉県南房総市などでも数々の作品を見ることができます。

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特にその中で有名ないすみ市内のお寺を、家族のドライブかねて巡ってきました。

 

明王山 飯綱寺(いずなでら)

http://www.isumi-kankou.com/isumi-kanko-tousyu/iduna.html

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伊八45歳、棟梁として脂の乗っている時の作品「天狗と牛若丸」が見どころ。
拝観料300円。本堂内は撮影禁止ですので、その目で大迫力をみてください。

 

硯山 無量寿院 長福寺(ちょうふくじ)

http://www.suzurisan.jp

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こちらは伊八が彫師として脂の乗ってきた30代の作品「波と龍・雲と麒麟」がみられます。
また源頼朝由来の「筆掛の槇」が有名です。

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平家追討の書状を書き、その時の硯が素晴らしかったので「硯山」という名を頂いたという話です。

 

東頭山 行元寺(ぎょうがんじ)

http://www.gyoganji.or.jp

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みなさんは葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」という浮世絵、ご存知・・・ですよね?
え?知らない??じゃあリンク先みてください。「あああ!」って思えますよ。

葛飾北斎は46歳の頃、千葉県木更津市を旅しているという記録が残っています。
その頃、この寺に杉戸絵を描いた五楽院等随(北斎と同じ堤等琳に師事)がいたことから、北斎もここを訪れ、波の伊八の「波に宝珠」を見ていたのではないかと言われています。

如意宝珠(※1 意のままに願いをかなえる宝 )が波の谷間に流れているという彫刻ですが、この彫刻を裏から見るとまさに北斎の「神奈川沖浪裏」であり、宝珠部分が富士山になっているのが一目でわかります。

今で言うところのオマージュ作品であると言えますね。

ここの行元寺では拝観料500円支払うとたっぷりガイドさんが解説してくださいます。
私は外に息子を待たせていたのでかなり簡単に端折っていただきました。

行元寺は、伊八の彫刻も素晴らしいのですが、日光東照宮や上野寛永寺など徳川家お抱えの幻の名工「高松又八」こと高松又八郎邦教(くにのり)が復興工事に関わったということで、本堂が極彩色の素晴らしいものなので、こちらもぜひご覧ください。

参考記事:関東・彫物師たちの彫刻の旅 – 探検コム

 

伊八の作品は南房総市にもあるので、またゆっくり巡ってみたいです。

 

※1 如意宝珠のサンスクリット語は調べないようにね。